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毎週受験するがなかなか合格しない。私もあせり出して教習所へ電話をしてみた。「もう、そろそろ合格すると思うけどねえ」と言われ、「待つしかない」と覚悟を決めた。
そのころ、姉娘がアトピーについての本を買って来た。ステロイドによる副作用を、温泉入浴で自然治癒させた実例が、写真とともに記載されていた。その本を読んで彼は、病院の薬を使うのを中止すると言い出した。
顔はますます赤くなり、仕事に出す私も出かける彼も辛い日が続いた。私は見かねて、仕事を休ませ、二人で病院へ行った。彼は、「薬が合わない。膚がヒリヒリして痛いのでチュウブの薬を下さい」と言うが、先生は、「あまり強い薬は使えない。この状態では入院した方がよい」言われた。
私も家で休んでいても職場から電話が来るので、早く病院に入れて休ませたいと思っていたが、彼は以前、入院治療をしたがあまり良くならないので気が進まない。
そんな状態の中で七回目のバイクの試験を受け六月二十四日、やっと実技が合格した。バイク用の靴、ヘルメット、手袋を用意して七月四日、二時間の講習を受けて免許証を受取るように連絡があった。しかし顔の状態は講習を受けに行ける状態ではなかった。
近所の私の友人に、「日赤の皮膚科に行ってみてはどうか」とすすめられて行った。赤い顔を子供らがジロジロ見る。
「通院で様子を見ましよう」と言われて一週問過ごしたが、家にいると職場から電話が来るので入院させてもらうことにした。

 

 

 

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